ROKU Fukuoka

  • 福岡県福岡市
  • 2017年
ROKU 福岡は、ROKU シリーズの9 番目として、独立した建物の新築工事として実施されました。建物は既存の大きな芝生広場の一角に位置しています。気候の温暖な福岡の海沿いにあるこの芝生広場で潮風に吹かれているととても心地よく、この広場を尊重し、その価値を高められるような、内部だけでなく外側からも様々に利用できる建物を設計したいと考えました。
 通常ボートレース場の観覧場は、競走水面に対して出来る限り近づき、最大の間口を確保するように設計されていますが、この建物はそれとは異なり、水面よりもむしろ芝生広場を囲い広場の形を明確にするように、広場の方に「顔( 正面側)」を向けて建っています。これは、レースを間近で観戦できるようにすることよりも、もっと大事な役割がこの建物にはあるのではないかと考えたからです。それは、レース観戦だけでなく、水辺の芝生広場において快適で様々な楽しみ方ができる場所、楽しい時間を過ごしていることが互いに見えるような場所を提供することではないでしょうか。芝生に建物の「お尻( 背面側)」を見せたり、部分的に出会っても芝生広場と水面の繋がりを断ち切るような建物配置は避けられるべきだと考えました。
 水面に正対するガラス面の間口幅は限られているが、室内の客席スペースからは広場側正面のガラススクリーンを通して、さらに広場越しに斜め方向に水面全体を見渡すことができるようになっています。ピロティとなっている地上レベルでは、大きな面積の日除けが提供され、風の通り抜ける屋外観覧場となるだけでなく、広場全体で行われる様々なイベントの際にはその一部として使われる予定です。2 階客席スペース上部の浮遊する大屋根は広場に向かって大きくせり出しているので、高い屋根のみに覆われた中間的な場所を建物と広場の間につくり出しています。